【韓国】「早期留学」ブームにおけるメリットと問題点を考える


Published on 13.05.29

【韓国にみる英語教育03】「英語力」最優先のために「母国語の確立」をおろそかにしてるかも?…「早期留学」のメリットと問題点


【01】日本の一歩先行く英語教育国「韓国」の現状
【02】週5日の英語塾や放課後授業でも英語を学ぶ小学生
【03】「早期留学」のメリットと問題点を考える
【04】母国語向上と英語力の維持をサポートする「帰国クラス」

「早期留学」もさかんな韓国

このところ、日本でも注目されている「親子留学」。

夏休みなどを利用した短期的なものから、長期的に現地の学校やインターに滞在するものなど。

韓国では幼児期からの英語教育がさかんなため、低年齢、義務教育期間中に海外で学ぶ「早期留学」は以前から数多くありました。

韓国で海外旅行が自由化されたのは、1990年代はじめのこと。

その後、徐々に大学留学が増えはじめましたが、早期留学も小学校での英語教育がスタートしたのちの2000年以降に増えているようです。

母親が子どもに同行して現地に滞在したり、子供が単身ホームステイや寄宿舎に滞在するケースも。留学斡旋業者もたくさんあります。


↑小中学生の早期留学を斡旋する業者のホームページ。タイトルには「母親同伴留学」とあります。

このような海外滞在を韓国では「早期留学」と呼び、おもな留学先はアメリカやカナダ、ニュージーランドなど。

最近では、物価が安く英語も公用語として使われているフィリピンやマレーシアのインターナショナル・スクールも注目されています。

また、少数ではありますが、カナダやニュージーランドの永住権取得を目指し、親子で移住するケースもあります。

早期留学には問題点も

「早期留学」をする児童の平均留学期間は、2~3年なのだそう。

2011年に韓国の大手新聞社「朝鮮日報」が行った調査では、「早期留学」経験のある児童300名のうち、小学校低学年が46.1パーセント、50.3パーセントが高学年で帰国した…という結果が出ています。

こうした子供の多くが、帰国後は韓国の地元の学校に転入しますが、なかには学校生活になじめず、勉強についていけない子供も。

不登校になったり、ふたたび海外の学校へ戻るケースもあるそう。

そのため、国は「海外留学は中学卒業以上の学歴があると認定される者」と、義務教育中における「早期留学」を事実上禁止する法律を制定したり、各学校も「韓国の学校からの交換留学と両親の海外勤務等以外は、復学の際の進級を認めない」といったルールを設けています。

とはいえ、早期留学で子供を送り出す親の6割近くが規制について知らないという調査結果もあり、実際に処罰があった事例は耳にしないので効力のほどは不明ですが…

最近では長期的な留学ではなく、学校の休暇期間を利用した短期留学が増加傾向にあるようです。


↑韓国の小学校内にある「英語ゾーン」。英語図書館や英語の授業で使用する教室があります。最近では、長期での早期留学よりも休みを利用してホームステイや短期留学に行く子供たちも増えています。

また、「早期留学」を象徴するキーワードは、「キロギアッパ」(「キロギ」は「雁」、「アッパ」は「お父さん」)。

妻と子どもを「早期留学」へ送り出し、お父さんは韓国に残って学費や生活費を稼ぐべく懸命に働く姿が、「雁」のオスが家族を守るために献身的につくす姿に重なるのだとか。

子供の英語教育を最優先したために、家族は離散。孤独感や喪失感を募らせる父親もいて、自殺や孤独死といった悲劇も報道されています。

英語よりも大事な母国語

物事や言語に柔軟性や吸収性が高いとされる子供の時期に、海外でさまざまな経験をすることは人生のプラスになることも。

英語に強い高校や大学の帰国子女枠などでの入試、海外の大学へ進学なども有利になるでしょう。


↑児童向けの英語専門塾。会話などの集中コースのほか、早期留学を目指すコースも。

ただ「英語習得」を重視するあまり、「母国語」による思考力の確立をおろそかにすることは、子供にとって大きなデメリットに。

全体的な学力低下につながり、子どもの成長や将来に影響を与えてしまうリスクもあると、韓国政府は危惧しています。

子供には一生の宝となる「英語力」を与えてあげたいのが親心ですが、こうしたマイナス面も踏まえ「早期留学」を考える必要がありそうです。

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