台湾を知るうえで避けて通れない歴史と政治について考える


Published on 09.03.07

【台湾日和05】選挙が盛りあがる理由は? 使われている言葉は? 親日派が多いのはなぜ? 知っておきたい「台湾の歴史と政治」

台湾の近代史は「統治の歴史」

台湾を語るうえで、避けて通れないのが「政治問題」

台湾は、19世紀末以降は日本に、第二次世界大戦後は中国国民党に統治されていました。

中国国民党は、1919年に孫文らによって結成された中国の政党で、中国で共産党との内戦に破れたのを機に、1949年に台湾島に逃れてきました。

その後、台湾では国民党による「戒厳令」が施行され、以降38年間もの間一党独裁が続きました。1987年に戒厳令が解除されるまで、反体制派の国民へ厳しい弾圧がおこなわれていたのです。

民主化の契機となったのが、1986年に結成された「民主進歩党」(民進党)の結党。台湾の民主化を後押しするアメリカの存在もあり、徐々に政治の主権は国民へと移っていくことになります。

1996年から4年ごとに実施されるようになった総統選挙制(国民が「総統=政治のトップ」を選ぶことができる制度)により、台湾はようやく民主化の時代を迎えました。

変化している台湾の現在

2000年には、国民党から民進党へと政権交代が実現し*、それまで制限されていた「台湾語」(福佬語/ホーロー語)が、国語(北京語)と並行して用いられるように。

そして、観光名所でもある中正記念堂(ゾンゼン・ジーニエンタン)が「自由広場」(ズーヨウ・グァンチャン)と改名されるなど、台湾に大きな変化が起こりました。

*ただし、08年の総統選挙では、再び国民党が政権を奪回し、ふたたび中正記念堂に戻されることになりました。

政治には高い関心が集まります

このように長い間統治された歴史をもつ台湾人にとって、政治への参加は重要な意思表示の場として機能し、「総統選挙」の投票率は80パーセントを上回ったことも。

投票は戸籍のある地域でしかできないので、08年の投票前日には、駅の切符売り場に帰省客による長蛇の列ができました。

切符を買うのに2時間待ち、という人もいて、それでも自分の一票ために並び続ける様子に台湾人の国への熱い想いを感じずにはいられませんでした。

08年の総統選挙では、選挙に伴うイベントに参加したのですが、それはものすごい熱気!  Tシャツや帽子などのグッズまで販売されて、お祭りのような騒ぎです。

子どもからお年寄りまで、何万人という人が「台湾加油!」(ガンバれ台湾!)と声を掛け合ってハイタッチをしながら街を練り歩きます。

この様子を見に、わざわざ訪れる外国人観光客もたくさんいます。有権者の半分が「無関心層」と言われる日本では考えられない光景ではないでしょうか。

台湾で使われる言葉

最近の台湾では、中国語と台湾語を混ぜて話す人も多く、若者の間ではちょっとした流行になっています。

台湾の公用語は「中国語」(北京語)とされていますが、中国で使われている中国語とは文字や言い回しが少し異なります。

中国の「簡体字」(かんたいじ=簡略化された漢字)とくらべ、台湾の「繁体字」(はんたいじ=筆画数の多い旧字体の漢字)は日本の漢字に近いので、雰囲気で意味がわかりやすい特長があります。

先日、お正月のイベントが台北市で行われた際、「台湾へようこそ」と書かれた垂れ幕に中国の簡体字が使用されており、ネット上でも大きな話題となりました。

主催者へ抗議の電話も入ったそうですが、民進党の支持者たちをはじめとし、台湾の人々は中国の存在にとても敏感に反応します。

親日派も多く日本語があふれる台湾

しかし、同じく統治者であった日本に対しては、なぜかとても友好的。台湾の街を歩くと日本語の看板が多いのに気付きます。ティッシュの箱には「ふんわろ」、朝食店の紙袋には「お元気です!」。

間違いは多いものの、街には日本語が溢れています。以前、1ヵ月の長期旅行で訪れたときには、行く先々で日本語を話せる人と出会い、「台湾では中国語ができなくても問題ないのではないか」と思ったほどでした。

日本人観光客が多いからという理由もありますが、日本語表記が「おしゃれ」という感覚もあるよう。

たとえば、マンションには「代官山」や「久石譲」という名前のものがありますし、店舗の名前でも「○○の店」などを見かけます。

また、台湾人は日本製の商品に対しては信頼というか、安心のようなものを感じるよう。テレビCMなどでも、ちょこっと日本語を混ぜて、日本製や日本の会社ということをアピールし、「安心」という付加価値をつけています。

このような違いが生まれた理由のひとつには、中国国民党が「奪う支配であった」のに対し、日本は「与える支配だった」からだと言われています。

台湾では子どもを褒める際に「可愛らしい」とか「賢そう」以外にも、「日本人みたい」ということもあり、日本に対する特別な好感がわかります。

以前訪れた中国では、いまでも反日感情が根強く残っており、「日本人に売るものはない」と、追い返されたこともありました。

このような観点からも、台湾は日本人にとって訪れやすい国なのだと思います。

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