Published on 09.08.23

【香港虎の巻11】ココはインド人街?!　繁華街の一等地に建つ「チョンキン・マンション（重慶大厦）」潜入レポート

「チムサーチョイ Tsim Sha Tsui」（尖沙咀）の「ネイザン・ロード Nathan Rd.」（彌敦道）沿いを歩いていると、ひと際異彩を放っているビルがあります。

それが「チョンキン・マンション Chungking Mansions」（重慶大厦）。

ウォン・カーウァイ（王家衛）監督の「恋する惑星」（原題「重慶森林,Chungking Express」、94年）の舞台にもなったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

このビルの1〜3階は、インド系のレストランや雑貨店などが入るショッピングモール、4階以上は安いゲストハウスや住居となっています（最高階は18階）。

そのため、常に多国籍な人々が集まる場所となっています。

入り口の前にはインド人や黒人の客引きがたむろしていて、なかに入るのがちょっとためらわれるかもしれません。

実際、香港人の間でも「怖い・汚い」というイメージが強いチョンキン・マンションですが、最近は監視カメラを350台も設置。警備員も巡回していて、治安の強化に努めているようです。

ビルのなかへ一歩踏み出せば、ツーンと香るスパイスの香り。ココはリトル･インディアです。

入り口付近には両替屋が並んでおり、レートがいいことで有名なので、常に観光客で賑わっています。

その奥には、携帯電話や国際電話カードを売る店、靴やカバンを扱う店などのほか、インドムービーのDVD屋やインド食材の雑貨店、インド・パキスタン料理の惣菜屋などの店が並んでいます。

店主も買い物客も在住インド・パキスタン人が多く、彼らのコミュニティの場となっているようです。

惣菜屋に並ぶのは、ナンなどのインドパンやカレー、タンドリーチキンなど。

ナン（インドパン）1枚7ドル、カレーなどの惣菜はひとりぶんで8ドルほど、チキンは1ピース7ドルと、日本円にしていずれも100円ほどで食べられます。

本場の味でオイシイのですが、かなりカライのでご注意を。私のオススメはナンにジャガイモのカレー炒めを挟んで巻いたラップサンド（8ドル）。

レンジで温めてくれるので、小腹が空いたときにぜひどうぞ。

雑貨店の店頭ではインド野菜を売っています。

日本の3倍ほどの大きさのオクラや、ニンニクぐらいの小さな玉ねぎなど、日本の野菜とはひと味違うインドの野菜たちがお出迎え。

もう季節は終わってしまいましたが、旬のころにはインドマンゴーも手に入ります。

マンゴーの王様といわれるインド産マンゴー「アルフォンソ Alphonso」。

日本では1個1000円ぐらいするのが、ここでは1個10ドル（約130円）！　もし4月～6月に香港に来ることがあれば、ぜひ一度ご賞味あれ。

ほかの店もインド人の好みに合わせてピカピカの金時計を売っていたり、店内にはサイババを祀っていたりと、インドの雰囲気を思いっきり味わえますよ。

2階にもインド雑貨店やレストラン、サリーなどのインド伝統の服を売る店、携帯ショップ、時計屋が並びます。

1階より広々としていて人もそれほど多くありませんから、子連れで歩くには2階のほうがいいかもしれませんね。ちなみに2階の雑貨店の店主は、日本に2ヵ月ほど滞在したこともあるそうです。

数年前には2階、3階部分に「重慶站　Chung King Express」というショッピングモールが新たに開業しましたが、こちらはファーストフード店や化粧品のディスカウント店など、若者向けの店が揃っています。

トイレを利用する場合はこちらをどうぞ。ちなみにこのモールへは、チョンキン・マンションの正面玄関横のエスカレーターから入ることができます。

チョンキン・マンション周辺には早くからインド系のコミュニティが発展していたらしく、この辺りにはほかにもインド料理店や食材店が並び、インド系住民も多いようです。

チョンキン・マンションの隣にある「ホリデイ・イン・ゴールデンマイル Holiday Inn Golden Mile」（金域假日酒店）の創業者はインド系財閥の一族だったようで、ロビーにはヒンズー教の神様であるガネーシャが祀られています。

九龍の一等地であり香港を代表するこの場所に、インド系のコミュニティが存在しているのも、香港の「多様性」を表していて、たいへん興味深いことではないでしょうか。

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Tags: 香港虎の巻